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『ロジカル・シンキング』(グロービス/岡重文)

『ロジカル・シンキング』(グロービス/岡重文)

『ロジカルに物事を考える』とはどういうことか。

 

 

人々はロジカルに物事を考える上で、ある3つの観点が欠如しているという。

1つ目に、「自分が正しいと証明することに、がんばりすぎていということ」

2つ目に、「自分が何を考えているのか、案外きちんと理解できていないこと」

3つ目に、「聞けば『たしかにそうだよね』ということを、一手間惜しまずにきちんとやれていないこと」

                             本書からの引用

 

なるほど、確かにその通りかもしれない。

読み進めていくとわかるのだが、本書では物事をロジカルに考えるための手法として、『分析』『評価』『仮説』『選択』の4つの手順を紹介している。

本書の中で、分析や仮説において、『ある事象とその原因をよく検証することなく結び付け、原因が他にある可能性をいつの間にか排除してしまっている』ことが浮き彫りにされている。

 

それを踏まえると、確かに私たちは物事を考えるとき、自分の意見をしっかりと理解したり、意見を発信する上で根拠となる部分の検証を怠っているかもしれない。

 

◆この本の着目点

①ロジカルとは相手によって変わり、根拠づけの方法も相手によって変えなければならない。

例えば、あるプロジェクトのリーダーを決めるとき、A君を推薦する理由として適切なものはどれか。

1、能力や信頼度といったA君の要素から説得するパターン

2、A君の成功事例を提示するパターン(A君に似たBさんがうまくやれている)

3、対象ごとに考えるパターン(A君にとっては成長につながり、企業にとってはチームの団結力向上につながる)

4、時間軸で整理するパターン(短期的には業績の改善、中長期的にはメンバーの成長が見込める)

 

②『分析』『評価』『仮説』『選択』の手法

本書のメインの内容にあたる。分析にはなぜセンスが必要なのか。その評価軸は適切なものか。過去・現在・未来への仮説の立て方。適切な選択とは何か。

 

 

◆本の感想

本書はロジカルシンキングを行うためにはどうすればよいか、というような作品ではない。

ロジカルシンキングに必要な要素、ここでいう『分析』『評価』『仮説』『選択』それぞれの原理についてより詳しく解説している。

 

そのため、これらの4要素を基に私たちでロジックを作らなければならない。

ロジカルシンキングという言葉にゲシュタルト崩壊を覚えている人はぜひ一読してもらい、『ロジカルとは何か』という部分を改めて考えてもらいたい。